接客の基本
セールスポイント「売り」について
価格に見合ったサービスというのがあります。
一人前280円の牛丼と2万円するフレンチフルコースとではお客様が求めるものは当然変わってきます。
それは料理の味であったり、店の雰囲気であったり、使っている食器であったり、従業員のサービスであったり、お客様によって様々な観点があるでしょう。
同様のことがホテルや旅館でも言えると思います。
一泊7000円程度で宿泊できるビジネスホテルと2万円以上するシティホテルとでは お客様が求めるものが異なってきます。
最近では宿泊予約サイトなどを利用すれば、シティホテルでも安く宿泊できるケースが 増えては来ています。しかしそれでも1万5千円程度はかかるのが普通でしょう。
私の場合、ビジネスで出張する際にホテルに求めるものは部屋の広さと快適感です。
もちろんレストランも利用する事はありますがそれほど長い時間レストランにいるわけでもありません。
ほとんどの宿泊が睡眠中心の短い滞在時間で済み、客室での時間と睡眠の快適さがホテル選びの決め手になっています。
多くのビジネスマンの人たちも同様ではないでしょうか。
それならば、必ずしもシティホテルである必要はなく、ゆったりした客室と快適なベッド、食事ができるレストランがあれば、ビジネスホテルでもまったく問題ない事になります。
それが7000円程度で宿泊できるのであればきっと定宿になっていく事でしょう。
同じように、露天風呂付き客室が2食付き一人1万円で宿泊できる感じの良い旅館があればきっと人気が出ると思います。口コミでも広がるはずです。
こういったものは設備に限った話ではありません。
飲食業やホテルなどに限らず、価格に見合ったサービスを提供するのは普通の事です。
そして価格以上のサービスを提供できるのが他との違いとなります。
そしてそれがセールスポイント「売り」となるのです。
これを読まれているあなたがもしホテルや旅館、その他様々なお店や会社で働いているのであれば、あなたのお店や会社が持っている、他にはない「売り」は何かということをしっかり理解してください。
そしてそれをターゲットとなるお客様にきちんと伝える事ができように工夫してください。
これからの時代だからこそ、他と違った「価値あるサービス」を提供し、それをきちんと世の中に伝えるということを真剣に考える必要があるのです。
NPO法人日本サービスマナー協会
理事長 澤野 弘